赤大根を収穫しました。
2010年 12月 16日
ゴマ粒ほどの大きさの種を土に下してあげると、カイワレ大根が芽吹きます。
それから3カ月ばかり。あっという間の急成長です。
人間も赤ちゃんから10年過ぎ、20年過ぎると、まったく姿形、大きさが変わっていきます。
当たり前のことですが、それがイノチの素晴らしさ、不思議さだと思えます。
成長の早い野菜に寄り添っていると、そのことにはっきりと気づくことができます。
この赤大根は、もう何年も花を咲かせ、種を結ばせたものを採取してきた
自家採取の大根です。在来種とも言われます。
いま、ホームセンターや種苗店などで売られている種は、
「F1種」と言われています。
「F1種」とは、種の作るのに、工夫をして、病気に強い、大きく育つ、
美味しい実がたくさんつくなどの人間にとってありがたい特徴を備えた種です。
しかし、その性質は一代限りのもので、「F1種」の種から育てた野菜の種は
土に撒いても芽が出てこなかったり、実がつかなかったり、とても弱い野菜になったりと、
人間にとって苦労する種になってしまいます。
ですから、「F1種」の種は、毎年購入しなければなりません。
この赤大根のように、在来種であれば、種をとってまた次に
イノチをつなげていくことができます。
また、何世代も同じ土地、同じ気候で育ちことで、その土地に馴染み、
どんどん元気な野菜になっていきます。
ですから、ちょっと前の日本には、各地にその気候風土に根差した
特徴ある野菜がたくさんありました。
例えば、日本人と長い付き合いのある大根(一説には弥生時代からの付き合い)などは、
まだ在来種の大根が10種類以上残っています。
吉水農園で栽培されているこの赤大根は、
熊本、五木地方の在来種の五木赤大根のようです。
このように、冬の冷たい乾いた風にさらして、干し、漬物にします。
(ちなみに、夏に干すと暑さと湿気で腐ってしまうそうです。)
軒先に大根が干されていることが、ちょっと前の日本の風物詩でした。