蔵開き
2013年 09月 13日
蔵の整理をしているのに出くわしました。
「好きなものもってっていーぞ」
なんとまぁ、太っ腹。
聞けば、自分の蔵ではなく、隣家が引っ越しで空き家になるときに、
譲られた蔵なんだそうです。
過疎地ならではの事情です。
残ったモノは、ほかす(捨てる)というので、
それでは、遠慮なく。
家に戻って、軽トラをまわして、3往復。
ほこりまみれの、屋根に穴が空いている蔵の中から
色々と頂いてきました。
<セイコーのゼンマイ式振り子時計>
カチカチと振り子に合わせて、歯車がまわります。
心臓の鼓動のようで、落ち着く音です。
30分と、各時間には、ボーン、ボーン、ボーンと良い音が響きます。
< 『 ミ 』です。脱穀したモミを風選する道具です。 >
レバーを回すと中の風車が回転して、風が起きて、
ごみ、ほこりを吹き飛ばして、未熟な実は奥の口から、
充実してずっしりとした実は手前の口から出る仕掛けです。
先人の知恵ですね。
< 一枚板の机。二つで一組。 >
もらってきたときには、ほこりで真っ黒で、きったない感じで、
外の作業用テーブルかなぁとか思いながら運んできたわけですが、
スチールウールを使ってゴシゴシ洗うと、なかなかい感じ。
しかし、いかんせん、年代物、すすけて古びた感じ、
学校の古くなった机みたいな様子です。
それでは、ということで、柿渋(かきしぶ)で加工です。
< 柿渋をニ度塗りした具合。 >
ちょっと時間を空けて乾かして、また柿渋塗って。
< 柿渋を四回重ね塗りした具合。 >
< 木目もなかなかきれいに出ていて、素人仕事としては上々?>
このテーブルは一枚で、幅55センチ、長さ75センチ あります。
合板とかでなく、一枚の板です。
幅55センチの一枚の板を取ろうと思ったら、
木の太さは、大人の男性が二人並んだ程の幅が必要です。
それって、けっこうな大木です。
成長の早い杉だとしても、樹齢50年~80年ぐらいは必要でしょう。
粗大ごみとして、捨てられるところだったモノの中に、
思わぬ一品です。もとの大木のことを思えば、まだまだ、大切に
使い続けたい気持ちが湧いてきます。
<庭での柿渋塗りを見に来て、そのまま寝る うみ(柴犬)>
<きょうも、うみは平和な一日。>